2001 Canada 旅日記

2001年10月20日


レイク・ルイーズの看板
 昨夜は早々に寝たため気持ちよく起床できた。
 起きて窓を見た。曇りだった。「レイク・ルイーズ」見ると水は綺麗だったけど色はエメラルドグリー
ンでは無かった。
 1階のレストランへ。湖を見ながら朝食バイキング。フルーツやサラダはものすごく新鮮でおいしか
った。
朝食の後湖へ。
 やっぱり寒かった。当日の天気予報は最高温度3℃。路面の水溜りは薄い氷が張っていた。オク
サンはそれを割って遊んでいた。30分ほど湖畔をふらふらして部屋に戻った。1泊しかしないホテ
ルだけど今でも結構印象深い。天候に恵まれなかったのは残念だった。

 集合時間10分前だというのに我々夫婦しかいない。時間になりガイドさんがやってきた。「おはよ
うございます!実は本日は一組だけです。よろしくお願いします。」だって!
 1号線から93号線(アイス・フィールド・ハイウエイ)に入りしばらくして「クロー・フット氷河」を車内
から。その名の通り氷河がカラスの足跡の形をしている。氷河は雪の場所と違い青みがかっている
から言われて見ればすぐにわかる。19世紀の初頭に発見された氷河で氷の厚さが50mもある。
 山を見ていると所々スキーゲレンデの様なものが山の中腹にある。聞けば雪崩の跡でここら辺の
木は地面が岩のせいもあって根が浅い。そのため雪が一寸でも崩れると根こそぎ流されてしまうた
め、雪の流れた跡が遠くから見るとスキーゲレンデのように見える。
 ペイト・レイクに行く予定であったが、閉鎖(雪のため)しているのでボウ・レイクへ。風が山より吹
き降ろしていていた。ものすごく寒かった。この辺の木は常に風の当たる側の枝は成長せず反対側
の枝ばかりが伸びている。
 ガイドさんの話ではやはり例の同時多発テロの影響で観光客が激減していて、いつもならもっと
観光客が多いとのこと。この日は我々の他は数人がいるだけだった。

 車は93号線を1時間程走った所で11号線に入りヘリポートヘ。30分程走った所で国立公園の
外に。しばらく走るとアブラハムレイクが見えてきた。見事なエメラルドグリーンな湖面。レイクルイー
ズのイメージそのものであった。水面のエメラルドグリーンは石灰の粒子が水中で反射をしている
ために見えるとの事。湖は発電所建設の際に作った人造湖。アメリカに電気を輸出する予定で作っ
たが結局は売電計画は中止で湖だけ残ったとか。人造湖と聞いて一寸がっかりした。
 アブラハムレイクの畔にヘリポートは有った。広場にポツンとログハウス、そばにはコンテナハウ
スがポツンと。ヘリコプターが1機駐機してあった。想像通りのヘリポートだった。
 ログハウスに入りガイドさんが出てきた兄さんと話していた。兄さん大声で2Fに向かってパイロッ
トのテリーさんを呼んだ。ガイドさんの話だとこの二人(20代)はこのログハウスに住んでいてオナ
ーはヘリポート隅のコンテナハウスに住んでいるとのこと。
 準備が出来てヘリ(4人乗り)に搭乗。実は私は初めての経験。オクサンはアメリカ、オーストラリ
アでヘリ、セスナと経験済み。私は初めてということで前の席へ。オクサンとガイドさんは後ろの席
へ。
 私の席は副操縦席で操縦桿は外してあったけどフットバーが残っていた。そこには絶対に触るな
と注意を受けた。
 搭乗してから約5分エンジンを十分に暖めたヘリはテイクオフ。スーッと特に違和感を感じることな
く離陸した。程なく原生林の上空、ロッキーの尾根が遠望できた。本当に広く感じた。
 ヘリは川に沿ってウイルソン氷原へ。5分くらい深緑の原生林の上空を飛び、いよいよ山の中に。
山の稜線すれすれに飛行。さっきまで広々とした原生林を見ていたので、急に視界を遮られてびっ
くりした。

 ロッキー(岩)の名にふさわしくごつごつとした岩肌がむき出しになっていた。所々雪が降りかかっ
ていた。斜面がきつくて風が強くて雪が積もらないのだと思う。雪は岩の窪みに溜まっている。雪は
そのため疎らに降りかけられたように見える。遠くから見るとチョコレートケーキに砂糖を降りかけた
みたいに見えるけど、間近で見ると自然の厳しさを思い知る。
 氷原上空にヘリは入った。氷原は3方を山に囲まれていてヘリの飛んできた方にだけ山の切れ
目がある。窪地の中は白一色。ところどころ雪が飛んで氷河が顔を出している。氷河は薄っすらと
青み掛かっている。所々地面に割れ目(クレバス)が見えた。
 しばらくヘリは氷原上空でホバリングをして。帰途に着いた。回れ右をするとこんどは白い氷原の
先に深緑の原生林そしてエメラルドグリーンのアブラハム・レイクが見えた。広大な景色が風防ガラ
ス一杯に広がった。
 途中パイロットが指を指す。指した先を見たら何か動くものが見えた。「バンブー!」パイロットが
言った。ヤギが崖を走りぬけ木の中に消えていった。
 ガイドさんがパイロットに何か話しかけていた。(後でわかった事だがアブラハム湖の上空を飛ぶ
ように頼んでくれていた。)おかげでエメラルドグリーン湖面すれすれの高度で湖の景色を堪能する
事が出来た。

 ヘリポートのロッジで一休み。コーヒーは勝手に飲んでよくて我々も一杯飲んでいた。ガイドさんは
今まで自分が飲んでいたコーヒーの紙コップ(スターバックのコーヒーカップみたいなやつ)にコーヒ
ーを入れていた。後で解る事だがカナダのサラリーマンはたいてい朝、コーヒーショップでコーヒーを
買ってそのコーヒーを片手にオフィスに出勤する。朝の出勤風景の定番。
 コーヒーを飲んでいたらヘリポートで飼っている犬が庭で遊んでいた。良く見たら灰色をした犬は
丸太(杭みたい)をかじっている。この犬はかじっている丸太を取り上げて投げると全力疾走で丸太
をくわえて戻ってきて投げた人間の前まで戻ってくると一心不乱に丸太をカリカリくわえ始める。そ
れを見た犬好きのオクサンまねをして遊んでいた。私は動物は苦手なので見ているだけにした。
 こんな大自然の中で自分の好きな仕事をしている彼らがうらやましかった。

 ヘリに乗る前か後か記憶が定かでないが弁当(ツアーに含まれている食事で幕の内弁当)をガイ
ドさんと3人で食べた。93号線と11号線のT字路にあるドライブインの食堂に行ったけど混んでい
て別の場所の川のほとりのパーキングで車を止めて車中で食事をした。ごく味も量も普通の弁当で
いつもの調子でぺろりとたいらげた。そしたらオクサンもガイドさんも半分も食べていなっかた。なに
かいたたまれなくて一人車の外に出て二人の食べ終わるのを待っていた。後からオクサンに聞い
たらガイドさんが言うに、以前、日本でサラリーマンをしていたときは時間に追われて食事をしてい
たから食べるのが早かったけどカナダで仕事をするようになったら、何故かゆっくり食べるようになっ
た。「まああ、こんな所では早く食べる気にもなりませんよ!」だって。それを聞いて何かせっかっち
な自分が損をしているような気がした。

 もと来た道をバンフに向かった。広大な景色の中の一本道。なんとも言えない開放感。こんな道を
運転してみたいとどれだけ思ったか。道路の舗装も良くて車も大型でスムーズに走るから乗り心地
は抜群で、景色を堪能することが出来た。

 1号線あと少しでバンフという地点で路肩にエルクがいた。他の車も徐行してエルクを見物してい
た。エルクは初めて見たのだがその大きさに「イヤー大きいですね。角も立派ですね〜」と言った
ら、ガイドさんは「ええ、でもこれはまだ子供ですね若いですよ。もっと大きくなりますよ。気性の荒
いのになると車に向かってきますよ。」と。こんなに大きいのに若いとはと思っていたら、見物してい
た車の1台が近づきすぎてエルクは驚いてどっかに行ってしまった。「なるほど子供らしい」

 ホテルに到着した。ホテルの車寄せは観光客でごった返していた。ガイドさん言うに「このホテル
改装工事は頻繁にやるんですけどこの部分は格式に関わるとかで絶対に改装しないんですよ。」と
一寸イライラしながら言っていた。
 フロントもチェックインする人たちで混んでいた。
 鍵をもらいガイドさんの案内で部屋まで行った。セミシングルのベット2つのレトロ調の部屋はイメ
ージと違い意外と狭く(シャトー・レイク・ルイーズより広かったが)感じた。窓からはボウバレイが見
えていた。景色は良かった。ガイドさんは「この部屋は広いですね。通常ご案内している部屋はこの
半分ぐらいですねえ。」どうもハネムーンツアーという事で広い部屋が用意されていたらしい。
 今後の予定を確認するとガイドさんは「じゃあ、あまり邪魔しても」といって帰っていった。1日一緒
でしかも年も一緒、友達感覚でガイドをしてもらえたせいもあって別れ際は一寸辛かった。ガイドさ
んにはカナダの素晴らしさを教えてもらえた。本当に素晴らしい観光が出来た。

 この日はディナーがついていた。レストランを確認して(このホテルはレストランが何箇所もある。
そして全て営業してる訳では無いので掲示板でレストランを確認しなければならない。落ち着いた
雰囲気のレストラン。高級感はあったが凄くリラックスした雰囲気。ワイン1本とオードブルとメインデ
ィッシュを数種類のメニューから選んでオーダー。私は魚料理、オクサンはアルバータ牛のステーキ
をオーダーした。オクサンの頼んだオードブル何故か大皿。2人前はありそうな量だった。おかげで
肝心な肉が全然食べれなかった。かわいそうに。オクサンの頼んだステーキ、厚さがあったけども
のすごく柔らかくておいしかった。あんなステーキは今まで食べたことが無かった。
 おなかも一杯になり、昼の観光の興奮も冷めすっかりいい気分になり、ホテル内を散歩しながら
部屋に戻っていった。
 「明日は1日フリーか〜、何をしよう?」と思いながら床に就いた。

レイクルイーズ あいにくの天気で湖面が
この日の最高気温3℃(ホテル天気予報)

ボウ・レイク 雪風交じりの寒い天気だった

アイスフィールドハイウエイ

アブラハムレイク

国立公園のチケット

ヘリポートのログハウス

これが搭乗したヘリ

へりからアブラハムレイク方向を望む

ヘリーポートの犬

ハイウエイの路肩にいたエルク

バンフ・スプリングス ホテルの鍵




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